小野邸

敷地は善福寺川沿いで南西向かって緩やかに傾斜する地形にある。この地域は区画整理されて半世紀以上、現在は緑が豊かに育ち閑静な高級住宅地になっている。三人家族だが将来母親を迎える計画がある。道路との高低差を有効利用して出来るだけスペースを採ろうと、地下1階、地上2階の計画としている。

地階を鉄筋コンクリート造にして車庫、多目的室に、1,2階を軸組木造にして日常の生活の場と考えた。1,2階の平面計画は吹き抜けを抱えた階段を中心にして、居間や個室を配置している、居間から庭へはバルコニーが拡がる開放的な空間だ。敷地が南西の角地高台にあることから、各室からの眺望はすばらしいが、真夏の西日を抑制するバランスも大切に考える必要があった。植栽計画はこれを配慮したものだが街並みや生態系を豊かにしようとするものでもある。熱環境は平成11年の省エネ基準に従っていて気密性も備えることで、エコロジー住宅の条件を満たそうとした。