伊東邸
年代 | 1989年 |
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所在地 | 東京都渋谷区 |
主要用途 | 専用住宅 |
敷地面積 | 583.07㎡ |
延床面積 | 890.09㎡ |
建物の高さ | 9.44m |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
階数 | 地下1階地上2階 |
この住宅は家族が夫婦だけという住まいだが、オーナー社長として来客が多いことでゲストハウスとしての機能を備えることが条件だった。敷地は鉤形状に奥で拡がり背後の隣地には3mを超える擁壁を控えていた。しかも前面道路とも2mほどの高低差を抱えている。計画はこの高低差を利用して車庫を確保することや、その断面計画と絡んだ建物のゾーニングから始められた。決め手は2台の車の収まりと余裕のある建物配置で引きをつくり魅力的なアプローチ空間を実現することだった。地下はゲストと楽しむための様々なスポーツ施設スカッシュコート、アスレチックジム、15mプールを揃えその付属する設備も配置したが、そのために必要な広さと階高を確保し敷地のほとんどを躯体が埋め尽くす内容となった。1階は庭に迫り出すダイニングと応接を兼ねた居間を中心に座敷や、厨房、メイド室、水周りが控えている。2階は主寝室、ドレスルームを中心にゲストルームの2室が配置された。この主要3室はそれぞれ趣向を変えてモダン、アーリーアメリカン、和風と使い分けられた。1,2階をつなぐ階段にはギャラリーを備えゆったりと接客のための演出が施された。外観は矩形と八角形を合成したヴォリュームに寄棟造りでコンクリート打ち放し亜鉛合金の一文字拭きと、いたって簡素に造られている。ゲストハウスとしてのインテリアにウエイトが置かれていて、一部はインテリアデザイナーと協働している。